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クラフトジン、4,000〜5,000円って高くない? 値札の中身を考える

気になるジンを手に取ったら、4,000円、5,000円。「おいしそうだけど、ちょっと勇気がいるな」と感じるのは自然です。どうして定番のジンより高いものがあるのでしょう。答えは一つではありませんが、「少しずつ作ること」と「香りをどう作るか」は、値段を理解する手がかりになります。

少量生産は、一本あたりの負担が大きくなりやすい

瓶を仕入れ、原料をそろえ、蒸溜し、詰めてラベルを貼る。その準備や作業を何本で分担するかによって、一本のコストは変わります。

英国のYork Ginは、小規模な造り手が高くなりやすい理由として、瓶などの仕入れ単価、手作業の瓶詰め・ラベル貼り、一瓶ごとに事業を支える利益が必要なことを挙げています。大手と同じ値段にするのが難しい事情は、液体の原料費だけでは説明できないのです。York Gin公式・価格の解説外部・新しいタブ

もちろん、「クラフト」と書かれた商品がすべて小規模・手作業という意味ではありません。気になる一本は、言葉の印象よりも、どこで、誰が、どう造っているかを見ると判断しやすくなります。

柚子を入れる、その先にも仕事がある

香りの素材であるボタニカルも、種類だけ数えればいいわけではありません。調達、下処理、浸漬、蒸溜、組み合わせ。どこに手間をかけるかは造り手によって違います。

例えば「季の美 京都ドライジン」は、11種類のボタニカルを特性ごとに6つに分け、別々に浸漬・蒸溜してからブレンドする製法を公表しています。これは手間の具体例であって、「その工程だけで何円高くなる」と原価を示したものではありません。季の美公式・製造方法外部・新しいタブ

「素材が多いほど上」「珍しいほどおいしい」とも限りません。柑橘の明るい香りが好きか、ハーブやスパイスの印象が好きか。まずは自分が気になる香りを手がかりにしたほうが、値段だけで選ぶより楽しみが具体的になります。

ボトルや箱、届くまでの費用も入っている

英国の受託蒸溜会社Artisan Distilling Companyは、特注の瓶やラベル、出荷用の箱、原料の調達条件なども費用を左右すると説明しています。香り以外の部分にもコストはある、ということです。同社公式・製造費用FAQ外部・新しいタブ

日本の店頭価格を考えるときは、一般に流通や輸送、販売側の経費なども関わります。ただし、個別商品の原価や利益が公表されていなければ、5,000円のうち何円が材料費か、という内訳まではわかりません。

一本の値段と、一回に使う量を分けて見る

仮に700mlのボトルから一回30ml使うなら、約23回分。4,000円なら30mlあたり約171円、5,000円なら約214円です。同じボトル価格でも、500mlでは30mlあたりの価格が高くなるため、容量もそろえて比較しましょう。これは液体の単純な割り算で、割り材や送料は含まず、飲酒量の推奨でもありません。

それでも、好みに合うかわからない一本へ5,000円を出すハードルは残ります。小瓶やミニボトルがあれば、まずそちらを選ぶのもよい方法です。高いほど自分に合うとは限りません。「何にお金がかかっていて、自分は何を楽しみたいか」。その両方がわかると、買うことにも、今回は見送ることにも納得しやすくなります。