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メーカー紹介

小正醸造とKOMASA GIN――鹿児島の焼酎蔵は、なぜみかんや茶をジンにするのか

執筆・編集:ジンさえあれば。運営
資料確認:2026年10月23日

別々の皿に並ぶ米、焙じた茶葉、みかんと奥の小さなグラス
米焼酎の土台から、みかんや茶を主役にしたジンへ。

みかんのジン、ほうじ茶のジン、そして抹茶のジン。「KOMASA GIN」を並べると、専門用語より先に、身近な素材の名前が目に入ります。造り手は鹿児島の小正醸造(こまさじょうぞう)。焼酎を造ってきた会社が、土地の素材を一杯の選び方へつなげるブランドです。

メーカーを知る面白さは、年表を覚えることだけではありません。なぜその素材なのか、兄弟商品をどう選ぶのか。小正醸造を知ると、ラベルの向こうにある判断軸が少し見えてきます。

焼酎の会社とジンのブランドを、まず分けて考える

小正醸造は1883年創業。焼酎を中心に酒造りを続ける会社で、「KOMASA GIN」は2018年に始まった同社のジンブランドです。会社名と商品ブランドを分けておくと、焼酎、ジン、蒸溜所の名前が混ざりにくくなります。[1][2]

名前 何を指すか
小正醸造株式会社 KOMASA GINを展開する会社
KOMASA GIN 小正醸造のジンブランド
日置蒸溜蔵(ひおきじょうりゅうぐら) 小正醸造の製造拠点・蔵見学の場所
小正嘉之助蒸溜所株式会社 小正醸造の企業情報に掲載される関連会社

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嘉之助(かのすけ)の名前も知っている人はいるでしょう。ただし、日置蒸溜蔵と嘉之助蒸溜所は同じ施設を言い換えたものではありません。小正醸造の企業情報には別の所在地が記載されています。訪問先や商品の製造元を調べるときは、名前が近いからと一括りにしないことが大切です。[1]

素材を増やすより、何を主役にするか

KOMASA GINの公式紹介で印象的なのは、焼酎造りで培った技術を生かし、主なボタニカルを中心に設計する考え方です。ボタニカルとは、ジンの香味づけに用いる植物素材のこと。ベースには米焼酎を使い、ジンの基本となるジュニパーベリー、つまりネズの実と、選んだ素材を組み合わせます。[2]

多くの素材を使うジンにも、少数の素材に焦点を当てるジンにも、それぞれの面白さがあります。数が多いほど上質、少ないほど分かりやすい、と単純には決まりません。このブランドの場合は、主役の名前を手がかりに一本を選べる点に注目したいところです。

例えば「柑橘が好き」という大きな好みを、「小みかんの香りが気になる」へ具体化する。あるいは「茶のジン」から、ほうじ茶と抹茶のどちらに関心があるかを考える。素材名が、ボトルを眺めるだけで終わらない選び方につながります。

鹿児島を、ひとつの味にまとめない三本

2026年4月のメーカー発表では、定番のラインアップは「桜島小みかん」「ほうじ茶」「抹茶」の三種と案内されています。古い紹介と見比べるときには、商品構成の時点にも注意したいところです。[3]

「桜島小みかん」は、鹿児島の柑橘を主役にする一本。商品名に地名と素材が並び、何を試したいかを決めてから選べます。メーカーは小みかん、ジュニパー、コリアンダーシードを紹介しています。[4]

「ほうじ茶」は、焙じた茶葉に注目する一本。公式商品情報にはヒノキも登場します。同じ鹿児島を手がかりにしながら、小みかんとは異なる素材の組み合わせへ進めるのが面白いところです。[5]

「抹茶」は2026年5月22日発売の新定番。鹿児島県産抹茶にジュニパーベリーと小豆を組み合わせます。「茶を使う」という共通点だけでほうじ茶と同じ方向と考えず、何の茶をどの素材と組むのかで見ると、二本の違いが具体的になります。[3]

三本をまとめて買う必要はありません。柑橘なら小みかん、焙煎した茶葉ならほうじ茶、抹茶と小豆の構成なら抹茶。最初の一本には、いちばん関心のある素材を選ぶのがよいでしょう。

家で楽しむなら、割り材からも選べる

商品名だけで迷ったら、自宅で作りやすい飲み方から考える方法があります。公式の小みかんのジントニックは、ジン30mlにトニック60mlと炭酸水60ml。ほうじ茶には、ジン30mlと炭酸水120mlのソーダ割り、ジン30mlとお湯90mlのお湯割りが提案されています。[6]

この違いは買い物にも役立ちます。トニックと炭酸水を揃えたいか、炭酸水だけで始めたいか、耐熱の器で温かい一杯を作りたいか。銘柄の評価を先に決めるのではなく、実際の食卓に置ける飲み方を先に考えてみるのです。

少量で試すなら分量を比例して減らす方法もあります。飲みやすさをアルコールの少なさと取り違えず、一度に何種類も比べるより、気になった材料や配合をメモしておくと次の選択に役立ちます。

日置蒸溜蔵を訪ねるなら、何を見たいか決めておく

造りの背景をもっと知りたくなったら、小正醸造は日置蒸溜蔵の蔵見学を案内しています。公式には、蒸溜設備や手造りの蔵を見学するコースが掲載されています。所在地は鹿児島県日置市日吉町日置3309です。[1][7]

見学は「ジンを買える場所へ行く」だけでなく、焼酎の造り手としての基盤を知る機会と考えると目的が明確になります。予約前には、コース内容、開催日、料金、希望する商品の試飲や購入が可能かを公式案内で確認してください。季節や時期によって設備が稼働していない場合もあるため、ジンの製造工程を必ず見られると期待して出かけないほうがよいでしょう。[7]

試飲を予定するなら、運転しない移動方法を先に決めることも旅の準備です。嘉之助蒸溜所も訪問したい場合は、それぞれ別の場所・予約条件として調べてください。

造り手を知ることは、次の一本の選び方を増やすこと

KOMASA GINで手がかりになるのは、焼酎の技術、鹿児島の素材、そして主役を決めた組み立てです。すべてを一度に理解する必要はありません。みかんから入っても、ほうじ茶のお湯割りから入ってもよい。気に入った素材が見つかったときに、同じ会社が別の素材をどう扱うのかへ関心を広げられる。それが、造り手からジンを選ぶ楽しみ方です。

出典・参考資料

確認日:2026年10月23日。訪問条件・商品構成は変更されることがあります。