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サクラオの造り手を知る|広島の柑橘から宮島の植物へ、一本の選び方が広がる蒸留所

執筆・編集:ジンさえあれば。運営
資料確認:2026年10月23日

青を背景にしたレモンの断面と皮
柑橘の素材から、桜尾のジン造りに目を向ける。

桜尾のジンを調べると、会社名、蒸留所名、商品名に似た言葉が並びます。まずはそこを整理すると、ORIGINAL(オリジナル)、LIMITED(リミテッド)、HAMAGOU(ハマゴウ)という商品の違いも読みやすくなります。共通する入口は広島。その土地のどの素材に目を向けるかが、一本を選ぶ手がかりです。

会社と蒸留所とジンは、同じ名前でも役割が違う

造り手の会社名は「株式会社サクラオブルワリーアンドディスティラリー」。略称はサクラオB&Dです。広島県廿日市市(はつかいちし)の桜尾にあり、1918年創業の中国醸造を前身とします。2021年3月に現在の社名へ変更しました。社名変更の公式発表外部

SAKURAO DISTILLERY(サクラオディスティラリー)は、ジンやウイスキーを造る蒸留所の名前。一方、SAKURAO GINはジンの商品群です。会社は清酒やリキュールなども扱っており、社名が英語風になったからといって、ジンだけの新しい会社になったわけではありません。

この区別は買うときにも役立ちます。「サクラオの限定品」とだけ聞いた場合、ジンなのかウイスキーなのかで全く別の買い物になります。商品名のGINやWHISKY、さらにその後ろの名称まで確認すると、造り手への興味を目的の一本につなげられます。

百年の節目で、広島の素材をジンに

創業百周年の2018年、サクラオはSAKURAO GINを発売しました。長く続いてきた酒造りと、新しい蒸留所の取り組みが重なる転換点です。会社公式外部

最初に並んだのはORIGINALとLIMITED。2018年の発売告知は、広島の柑橘などを生かすORIGINALと、広島県産の多彩な素材を使うLIMITEDを案内しています。ここで「広島らしさ」は、銘柄名やラベルだけでなく、何を香りの材料に選ぶかに表れています。発売時の公式発表外部

ただし、ブランド全体の紹介に登場する素材を、すべてのボトルが同じように使っていると考えるのは早計です。牡蠣殻やヒノキといった印象的な言葉だけで通常品の味を決めつけず、商品ごとの説明を見ることが大切です。

植物の香りを、どうジンへ移すのか

蒸留所の説明には、スティーピングとヴェイパーという二つの言葉が出てきます。前者は植物素材を酒に浸して香味を引き出す方法、後者は蒸気を素材に通して香りを取り込む方法です。サクラオはこれらを組み合わせた製法を紹介しています。蒸留所公式外部

難しい用語を暗記する必要はありません。同じ植物を使う場合でも、香りを取り出す方法までがジン造りの設計なのだ、と考えると十分です。「素材が多いほど上等」「地元産なら何でも強く香る」といった見方から、少し離れることができます。

また、ウイスキーで紹介される樽や貯蔵庫の話を、そのまま通常のジンへ当てはめないようにしましょう。同じ蒸留所にある設備でも、商品によって使い方や工程が違います。ジンを知るときは植物と蒸留、ウイスキーを知るときはさらに熟成というように、興味の入口を分けると理解しやすくなります。

最初の一本は「どの広島を知りたいか」で

サクラオの入口としては、まずORIGINALで柑橘とジンの基本的な香りの組み合わせに目を向ける方法があります。すでに通常品を知っているなら、次は価格が高いからという理由だけでなく、違う素材の組み立てに興味があるかでLIMITEDを検討してみてください。

そして、宮島の植物に焦点を当てるのがHAMAGOUです。ハマゴウは海辺に育つ植物。2026年版は第九弾として7月21日に発売が発表され、メーカーは清涼感のあるハーブ調の香りを特徴として案内しています。2026年版の公式発表外部

HAMAGOUは年号も確認したい商品です。公式は年ごとの特徴を分けて紹介しているため、以前のレビューが、そのまま手元の年版の説明になるとは限りません。また、限定という言葉だけで購入を急ぐ必要はありません。通常品との違いに興味があるか、一本を使う見通しがあるかを基準に選びましょう。HAMAGOU公式外部

宮島の素材を知ることは、勝手に採ることではない

HAMAGOUの公式紹介は、香りだけでなく宮島の自然環境にも触れています。商品を通して植物の存在を知ったら、次はその植物がどんな場所に育つかを読む楽しみがあります。ただし、使われている素材だからと現地で採取し、自宅で酒へ浸すこととは別の話です。

植物の同定や採取場所の条件を自己判断せず、現地では観察を楽しむ。家では市販のジンと、食用として販売された果物などを使う。そう分けるほうが、土地への興味を無理なく一杯につなげられます。

訪ねるなら、試飲より先に予定と交通を

蒸留所にはビジターセンターがあり、見学の案内も用意されています。所在地は広島県廿日市市桜尾一丁目12番1号。公式アクセスではJR廿日市駅や広電廿日市駅からの徒歩経路が紹介されています。ビジターセンター公式外部

訪問では見学の予約条件に加え、臨時休業や営業時間変更のお知らせも確認しましょう。2026年にも営業日変更の告知が出ています。試飲を楽しむ予定なら、運転しない移動手段を先に決めておくことが大切です。最新のお知らせ外部

現地へ行かなくても、造り手を知る意味はあります。次にORIGINALで一杯を作るときは柑橘、HAMAGOUなら宮島の植物、と一つだけ注目点を決める。それだけで、銘柄名を選ぶ買い物が、素材や土地を知る楽しみに変わります。

出典・参考資料

確認日:2026年10月23日。社名・沿革はサクラオB&D公式、製法・訪問情報は蒸留所とビジターセンターの公式案内、商品展開は発売告知と各商品ページを参照しました。本文内に出典リンクを付けています。2026年版HAMAGOUの発売情報は、現在の店頭在庫を保証するものではありません。