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シップスミスはどんな造り手? ロンドンの小さな蒸留所と、ジュニパーを主役にする理由

執筆・編集:ジンさえあれば。運営
資料確認:2026年10月23日

銅の板と金工道具、レモンの皮、小さなテイスティンググラス
銅の素材と手仕事をモチーフに、シップスミスの造りを考える。

シップスミスを調べると、銅製の蒸留器や職人仕事の話に出会います。ただ、道具の紹介だけでは、家でどんなジンを選べばよいかまでは分かりません。見たいのは、その道具と造り方が、ジュニパーを軸にしたジンへどうつながっているかです。

ここではロンドンドライの商品紹介から一歩引き、造り手としてのSipsmith(シップスミス)をたどります。

名前は「ゆっくり味わう」と「職人」から

日本の公式案内によると、SipsmithはSIPとSMITHを組み合わせた名前。少しずつ味わうことと、職人の仕事を重ねています。ブランドは2009年にロンドンで蒸留を始めました。サントリー公式外部

創業に関わったのはサム・ガルスワージー、フェアファックス・ホール、ジャレッド・ブラウン。公式のストーリーは、彼らが小規模な蒸留所を立ち上げるため、設備だけでなく免許の仕組みとも向き合った経緯を紹介しています。ブランドの歩み外部

この背景を知ると、シップスミスは「昔のレシピを持つ古いブランド」というより、ロンドンでジンを造る仕事を現代に組み立て直した造り手として捉えやすくなります。古典的な味の方向と、ブランドそのものの新しさは、両立しているのです。

名前のある蒸留器と、チズウィックの拠点

シップスミスは銅製の蒸留器を使う造り手です。初期の蒸留器にはPrudence(プルーデンス)という名が付けられ、2014年にはロンドンのチズウィックへ移転しています。日本公式の蒸留所紹介外部

名前のある蒸留器は、造り手の仕事を具体的に想像する入口になります。一方、設備の数や大きさだけで製品を評価する必要はありません。移転や設備の変化があっても、どんなジンを造ろうとしているかに目を向けると、ブランドの歩みと商品がつながります。

道具だけで味の優劣が決まるわけでもありません。同じ「銅製」という説明を持つ蒸留所でも、使う素材、分量、蒸留の仕方は異なります。造り手を知る面白さは、立派な設備の写真を眺めることに加え、その設備で何を目指しているかを読むところにあります。

ワンショット製法とは、香りの濃縮液を後で伸ばさない造り方

シップスミスが強調するのが「ワンショット」という考え方です。公式では、一回分の植物素材をベースの酒とともに蒸留し、香りを濃縮して後から別のスピリッツを大量に足す方式とは区別しています。ここでスピリッツとは、蒸留して造る酒のことです。製法の公式説明外部

「後から薄めない」とだけ理解すると不正確になります。公式は蒸留後に水を加えて所定の度数へ整える工程も説明しています。香りの濃縮液へ別の酒を加えることと、水でアルコール度数を調整することは、別の操作です。

この製法を知ったら、買うときに難しい工程名を覚えておく必要はありません。素材をどう使い、どの段階で味を組み立てるかに造り手の選択がある、と分かれば十分です。特定の製法だから必ず好みに合うという保証ではなく、一杯を選ぶ背景として楽しみましょう。

定番とV.J.O.P.は、名前より中身で選ぶ

日本の公式が案内するロンドンドライは、ジュニパーに柑橘とスパイスを重ねる方向のジン。ジュニパーとは、ジンの中心となる針葉樹系の香りを持つ植物素材です。まず造り手の基本を知りたいなら、この定番から入るのが分かりやすいでしょう。サントリー公式外部

一方、V.J.O.P.(ヴイ・ジェイ・オー・ピー)は、同公式でジュニパーの使用量を増やした57%の商品として紹介されています。名前の印象だけで「上位版」と考えるより、ジュニパーにさらに焦点を当てた別の設計と捉えるほうが選びやすくなります。

高度数だから、普段のジンと同量で置き換えればよいわけではありません。香りの好みとアルコール量を分けて考え、購入時には度数まで確認します。ロンドンドライを気に入ったら必ず次を買う、という順番も不要です。手元の一本で割り方を変える楽しみも残っています。

家の一杯につなぐなら、まず飾りを増やしすぎない

ジュニパーの香りを知りたいときは、香りの強いトニックや果物を一度に重ねず、条件をシンプルにしてみるのが一案です。日本公式はジントニックにライムを添えるレシピも案内しています。まず定番の組み合わせを知り、その後で果汁や飾りを調整すると、好みを言葉にしやすくなります。

例えば、いつもの一杯について「苦味が気になる」「柑橘をもう少し控えたい」と感じたなら、すぐ別のボトルを探す前にトニックや飾りを見直す手があります。ジンの量を増やすことだけが調整ではありません。少量にして比率を保つ、炭酸水の割合を増やす、といった選択もできます。

造り手の話は、飲む前の予備知識で終わるものではありません。シップスミスなら「ジュニパーを主役として探してみる」という、具体的な注目点に変えると役立ちます。公式の香味表現と自分の感じ方がぴったり一致しなくても、それだけで間違いではありません。

ロンドンの物語を、宣伝文句だけで終わらせない

小規模な出発、名前の付いた蒸留器、手仕事へのこだわり。これらはシップスミスを知る入口ですが、製品を選ぶ理由は人によって違います。歴史に惹かれても、柑橘や花を主役にしたジンを求めるなら、ほかの設計の銘柄が目的に合うこともあります。

反対に、定番のジンをもっと理解したい人には、素材と蒸留の関係を読み解くよい題材です。まず通常のロンドンドライの名前と仕様を押さえ、次に製法、さらに興味があればブランドの歩みへ。その順に読むと、専門用語に置いていかれずに造り手へ近づけます。

シップスミスを知る手がかりは、名前のある蒸留器と、ジュニパーを軸にしたジン造り。道具の印象から、今度は一杯の香りへ視線を移してみてください。

出典・参考資料

確認日:2026年10月23日。日本向けの商品説明、名前の由来、蒸留器と移転の説明はサントリーのシップスミス公式外部、創業者と歩みはブランド公式Our Story外部、製法は公式Our Process外部を参照しました。香味は各公式の説明、家での調整方法は当サイトの提案です。