ジンの種類と違い|ドライ・クラフト・オールドトム・ジュネヴァの読み分け

ジュニパー、柑橘、穀物などの香りの素材と、少量のジンを入れたグラス

ジンの種類を知るなら、ロンドンドライは「製法」、クラフトは「造り手の考え方を伝える呼び方」、オールドトムは「甘みのある伝統的なスタイル」と分けると見通しがよくなります。ジュネヴァは、ジンと歴史的につながる別系統のお酒。同じ棚にあっても、名前が教えてくれることはそれぞれ違います。

まず、同じ基準で分けた名前ではないと知っておこう

見かける名前何を知る手掛かり?名前だけでは決まらないこと
ロンドンドライジン香りを付ける工程など、製法の条件生産国、柑橘の強さ、価格
クラフトジン原料・製法・土地などへの造り手のこだわり甘さ、小規模生産かどうか、品質の順位
オールドトムジン甘みや丸みを持たせた伝統的なスタイル糖の量、香り、アルコール度数
ジュネヴァ穀物の風味にも目を向けたい、ジンと関わりの深いお酒全商品の穀物配合や熟成の有無

製法の区分を見ると、EU規則にはGin、Distilled gin、London ginがあり、ロンドンジンは蒸留ジンの条件をさらに絞ったものとして扱われます。この区分と「クラフト」を同列に並べ、どれか一つだけに分類しようとすると混乱しがちです。

ロンドンドライはロンドン以外でも造れます。製法の細かな条件はロンドンドライジンの解説へ。ここでは、売り場でほかの名前とどう読み分けるかを見ていきましょう。

クラフトジンと普通のジンは、どこで線を引く?

クラフトジンには、各社共通の明確な定義がありません。日本クラフトジン協会も、呼び方は造り手の意思に委ねられると説明しています。「クラフトだから必ず手造り」「大量生産品より高品質」と、名前だけで結論を出すのは早そうです。

見ると面白いのは、その後に続く説明です。「土地の柚子を使う」「植物ごとに蒸留する」「伝統的なジュニパー主体の味を追求する」。同じクラフトでも、こだわる場所は違います。

例えばシップスミス ロンドンドライは、サントリーがクラフトジンとして紹介するロンドンドライ。クラフトとロンドンドライは両立します。珍しい植物が多いほどクラフトらしい、と考えなくても大丈夫です。

銘柄を知る「シップスミス ロンドンドライジン」の特徴と飲み方|国内41%の通常品と「V.J.O.P.」を比較造り方と国内通常品の仕様から、飲み方を選ぶ。

オールドトムは、甘みを含むレシピから選ぶ

オールドトムは、ドライジンより甘みを持つスタイルとして紹介されます。ただし、どの銘柄も同じ糖分・同じ味というわけではありません。特定の商品で示された加糖量を、オールドトム全体の決まりとして覚える必要はありません。

ヘイマンズなら、公式が案内するトム・コリンズを入口にできます。レモンとシロップを合わせ、炭酸水で仕上げる一杯です。すでに作りたいカクテルがあり、そのレシピにOld Tomと書かれていたら、選ぶ理由がはっきりします。

甘みがあることと、お酒が弱いことは別。ヘイマンズの公式表示は41.4%です。商品の詳しい仕様はヘイマンズ オールドトムの記事にまとめています。

銘柄を知る「ヘイマンズ オールドトム」とは? 甘みのあるジンを、コリンズから選ぶ甘みのあるスタイルを、コリンズの材料から知る。

ジュネヴァは「オランダのドライジン」と置き換えない

ジュネヴァはジンの歴史と関わりの深いお酒ですが、いつものドライジンと同じ味を期待して買うより、穀物由来の風味を知る一本として見ると選びやすくなります。

具体例がボルス ジュネヴァ。国内公式では、ライ麦・トウモロコシ・小麦から造るモルトワインを使い、ジュニパーやほかのボタニカルの蒸留液を合わせると説明されています。モルトワインは、ここでは穀物から造る蒸留酒のことです。

ジュネヴァを選ぶときは、穀物の構成、モルトワインの使い方、熟成の説明も読み比べてみましょう。ジンの起源をたどりたい方はジンの歴史の記事もどうぞ。

買うときは「種類の名前+具体的な説明」で決める

  • いつものジントニックを作りたい:レシピで使われているドライジンを確認。ロンドンドライという文字に加え、柑橘やジュニパーの説明を見る。
  • 好きな植物の香りを探したい:クラフトの文字だけで決めず、柚子・茶・ハーブなど、使う素材とメーカーの味わい説明を見る。
  • トム・コリンズなどをレシピどおりに作りたい:オールドトム指定の有無を確認。甘みがあるからとシロップを自動的に省かない。
  • 穀物の風味にも興味がある:ジュネヴァの商品説明を読む。ドライジンの代用品としてではなく、その銘柄の飲み方から試す。

最後は容量とアルコール分も確認しましょう。種類の名前は、好みを狭めるための札ではなく、ボトルのどこを読めばよいかを教えてくれる目印です。

具体的なボトルで見比べるなら、ビーフィーターとヘイマンズ オールドトムへ。名前の区分を覚えるだけでなく、いつもの飲み方にどうつなげるかも一緒に読めます。

銘柄を知る「ビーフィーター ジン40度」の特徴と飲み方|レモンのジントニックを自宅で柑橘の香りと、家でのジントニックの楽しみ方を。

参照した資料

  • EUR-Lex:規則(EU)2019/787・付属書I 20〜22区分
  • 日本クラフトジン協会:クラフトジンとは?
  • サントリー:クラフトジンとはなんですか?
  • サントリー:ジンの製法と種類
  • Hayman's:Old Tom Gin
  • アサヒビール:ボルス ジュネヴァ
  • Beefeater:London Dryの製法と生産地に関するFAQ