ロンドンドライジンとは? 産地より先に知っておきたい、造り方の意味
資料確認:2026年10月27日

次にジンを選ぶとき、ラベルの「LONDON DRY」に少し注目してみませんか。ロンドン生まれのジン、と読みたくなる名前ですが、これは主に造り方を知る手掛かりです。意味が分かると、いつものボトルにも新しい発見があるはず。難しい製法の話は、一杯を選ぶのに役立つところから見ていきましょう。
ロンドンドライは、世界のどこでも造れます
まず知っておきたいのは、「ロンドンドライ=ロンドンで造ったジン」ではないこと。ビーフィーターの公式FAQでも、製造工程を表す呼び方で、世界のどこでも造れると説明されています。ボトルの産地を知りたいときは、生産国や蒸溜所の所在地を見てください。[1]
もちろん、実際にロンドンで造るロンドンドライもあります。ビーフィーターはその一つです。「どこで造るか」と「どう造るか」の両方を知ると、同じラベルの言葉から、造り手の話まで見えてきます。[4]
店頭でこの名前を見つけたら、まずは製法のタイプだと捉えれば大丈夫。次に香りの説明を読み、作りたい飲み物に合いそうな一本を探しましょう。地名の知識より、今飲んでみたい一杯が選ぶ出発点になります。
ジンの中でも、造り方の条件を絞ったタイプ
EU規則2019/787の分類では、ジンの中に蒸留ジンがあり、さらに条件を絞ったものがロンドンジンです。買うときの手掛かりになる部分を並べると、次のように整理できます。[2]
| 呼び方 | 大きな違い | ボトル選びの手掛かり |
|---|---|---|
| Gin | ジュニパーの風味が中心となるジン | 香りの説明から好みを探す |
| Distilled gin | ジュニパーなどとともに蒸留する工程を含む | 植物をどう扱うかにも注目する |
| London gin/London dry gin | 天然の植物とともに蒸留して香りを付け、着色や加える材料などにも条件がある | 蒸留で香りを作る仕事に注目する |
ロンドンジンでは着色が認められず、甘味付けの上限は最終製品1L当たり0.1g(転化糖換算)。蒸留後に自由に味を足すのではなく、植物とともに蒸留する工程が香りを作る大切な部分になります。[2]
製法の説明で見かける「70%以上」は、製造途中の蒸留液に関する条件です。お店で売られるボトルの強さとは別なので、飲むときの度数はラベルのアルコール分を見ましょう。数字が二つ出てきても、これで読み分けられます。[2]
ドライでも、柑橘や花の香りを楽しめる
「ドライ」と聞くと、きりっとして香りも控えめなものを想像するかもしれません。けれど、ここでのdryは甘味付けに関わる言葉。柑橘や花を思わせる香りを持つロンドンドライもあり、選べる香りはさまざまです。[1][2]
柑橘の香りが好きならレモンやオレンジの説明を、ハーブが気になるならジュニパーや香草の説明を読んでみてください。同じLondon Dryの文字が付いていても、自分が手を伸ばしたくなる一本はきっと違ってきます。
家でジントニックにすると、トニックの甘みとほろ苦さも加わります。甘さを控えたい日にはトニックの一部を炭酸水に、香りをそのまま楽しみたい日には無糖のソーダ割りに。ジンのタイプが分かったら、次は割り方で好きな一杯に近づけていきましょう。
クラフトジンとロンドンドライは、両方名乗れる
「クラフトにするか、ロンドンドライにするか」と迷ったら、両方に当てはまるジンもあることを思い出してください。例えばシップスミスは、ロンドンドライを追求するクラフトジンとして紹介されています。二つの言葉は、対立する分類ではないのです。[3]
クラフトという言葉からは造り手の工夫を、ロンドンドライという言葉からは製法を見ていく。そう読むと、一つのボトルを知る入口が増えます。蒸溜所の紹介を読んでから飲むのが好きな人には、こうした背景も一本を選ぶ楽しみになるでしょう。
タイプの名前は、品質の順位表ではありません。同じロンドンドライでも、植物の種類や香りの取り出し方が違います。次の二つの例を見比べると、その面白さがもう少し具体的になります。
柑橘の定番か、蒸気で香りを取り込む一本か
初めてのジントニックを作るなら、ビーフィーターとボンベイ・サファイアはどちらも気になる候補です。レモンやオレンジを入口に選ぶか、造り方に興味を持って選ぶか。選んだ理由を一つ持つと、飲む前から楽しみが増えます。
ビーフィーター:レモンやオレンジの香りが好きな人へ
ビーフィーターは、レモンやオレンジの皮を含む9種のボタニカルを約24時間浸し、その後蒸溜します。親しみのある柑橘を手掛かりに、定番のジントニックを作りたい人におすすめです。個別記事では、国内で選ぶ容量・度数から、家での飲み方まで紹介しています。[4]
ビーフィーター ジン40度の特徴と飲み方|レモンのジントニックを自宅で記事を読む →ボンベイ・サファイア:香りを取り出す方法にも興味がある人へ
サファイアは10種類の植物に蒸気を通して香りを取り込む、ヴェイパー・インフュージョンを使います。植物を浸す方法との違いを知ると、グラスの香りにも興味が湧いてきますね。ライムを添えたジントニックから楽しみたい人は、こちらの作り方もどうぞ。[5]
家でジントニックを始めるなら、「ボンベイ・サファイア」から。記事を読む →ラベルを読むなら、作りたい一杯から
ロンドンドライの意味が分かったら、次は自分の買い物に使ってみましょう。店頭では、この順番で見ると選びやすくなります。
- 作りたい一杯を決める。ジントニックならトニックと柑橘、ソーダ割りなら炭酸水も用意します。
- 気になる香りを探す。柑橘、ジュニパー、花、ハーブなど、好きな言葉を手掛かりにします。
- 造り手の話を読む。London Dryの表示や蒸溜所の紹介は、その一本を知る入口になります。
- 容量・度数・送料込みの価格を確認する。飲み方と予算に合う仕様を選びます。
名前の意味を覚えたら終わり、ではなく、「同じタイプでも、次の一本はどう造るのだろう」と興味を広げられる。それがロンドンドライを知る楽しさです。いつものボトルから、ラベルをもう一度見てみませんか。
材料・ボトルの購入先を確認する
気になったボトルは、容量・度数をそろえて購入条件を比べてみてください。
出典・参考資料
資料確認:2026年10月27日。


